換気扇の音だけがこだまする薄暗い部屋で、青年は一匹の魚と出逢う。歪なかたちをしたその魚は、どこか青年自身に似ている気がした。ぐったりとしていた魚は突然大きく跳ね上がると、中空をゆらゆらと浮遊しながら窓の外へ。
路上の水たまりに消えていく魚を見つめていた青年は、ある不思議な空間へといざなわれていく。ひとりぼっちで、どこまでも暗いその世界は、どこか青年の心の中そのものだった——
監督自身から見える世界の「生きづらさ」を幻想的なアニメーションで表現した短編アニメーション作品。
講談社シネマクリエイターズラボ 第一回受賞企画。
制作・脚本・監督 崎村宙央 / Supported by 講談社シネマクリエイターズラボ